アンケート調査の背景と目的
私たちヤマハ講師は一般財団法人ヤマハ音楽振興会(以下、財団とします)と契約し、特約店に派遣されるような形で働いています。特約店とヤマハ講師とは契約関係にありません。
契約関係にない特約店からは、日々色々な仕事を依頼されます。発表会や講師会議などがその一例ですが、この業務に適切な報酬が支払われていないケースがあり、問題となっています。
私たちの仕事の裁量(生徒様を何人受け持つかなど収入に直結すること)は特約店が握っているため、私たちは特約店からの依頼を断ることができず、実質的に強制されていることが過去のアンケートで明らかになりました。
特約店から依頼された仕事ですので、財団からは「支払わない」という立場を示していますが、2020年8月17日に財団より「発表会等イベント業務の謝礼金額について」と具体的な金額がヤマハ講師と特約店に提示されました。
この提示から約2年が経ち、私たちヤマハ講師の働き方の現状がどうなっているかを調査するのが、今回のアンケート調査の目的です。
ヤマハ講師の発表会等のイベント業務に適正な謝礼が支払われているか、また謝礼額決定の際に協議が行われたか、などについてアンケートを実施しました。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
選択式の回答の割合のみ公表させていただき、自由回答は公表を控えさせていただきます。
発表会等イベント業務の謝礼金額について
実施期間:2022年4月21日~6月30日
回答数:138件
財団から提示された発表会等イベント業務の謝礼金額について
2020年8月17日付RAPPORTにて発表会等のイベント業務に対する謝礼金額が提示されていたことをご存じですか?
財団から発表会等イベント業務に対する謝礼金額が提示されました。
これは全てのヤマハ講師にとって、自分たちが受け取る謝礼額が適正なのか確認・判断するために大変重要な書類ですが、現状手に入れる術がありません。
また、アンケートの結果を見ると86%の方が確認できない状況にあります。
この結果を受けて、全てのヤマハ講師がいつでも簡単にこの書類を確認することができるよう、財団に交渉をしています。
事前の打ち合わせ・ミーティング・リハーサルの立ち合い・指導について
・2時間未満で2,000円支払われていますか?
・2時間以上、4時間未満で3,000円支払われていますか?
・4時間以上、8時間未満で4,000円支払われていますか?
財団からは発表会の事前の打ち合わせ・ミーテイング・リハーサルの立ち合い・指導についての謝礼金額が提示されましたが、約80%の方には謝礼が支払われていない、又は支払われていたとしても財団の提示額より少ないことが分かりました。
発表会等のイベントを行うにあたり、どのように進めるか、生徒様にはどのように伝えるか、などのミーテイングが多く行われ、合同練習などの特別な指導を行うこともありますが、そういった仕事に対し、約60%の方に報酬が全く支払われていないことも分かりました。
当日の立ち合い・指導・講師演奏・進行手伝いについて
・2時間未満で4,000円支払われていますか?
・2時間以上、4時間未満で6,000円支払われていますか?
・4時間以上、8時間未満で8,000円支払われていますか?
当日の立ち合いについても、約80%の方に報酬が支払われていない、又は支払われていたとしても財団の提示額より少ないことが分かりました。
財団としては「適切な謝礼額を支払っている特約店がほとんど」との見解ですが、このアンケート結果とは全く異なっています。
まずは財団が、ヤマハ講師の働き方をしっかり把握することこそが、私たちヤマハ講師の働き方の改善に向けての第一歩ではないでしょうか。
財団にはヤマハ講師の働き方の現状をしっかり把握すべく、ヤマハ講師に対して働き方を調査するよう要求していますが、現状対応はしてくれていません。
スコアアレンジ等の仕事について
講師演奏等の特約店から依頼されている楽曲演奏について、スコアアレンジや音作りに報酬は出ていますか?
発表会で講師演奏を行う特約店もありますが、それを特約店から講師に依頼する場合は適正な謝礼金額を支払うよう財団から提示されています。
しかし、ほとんどの方に報酬が一切支払われていないことが分かりました。
報酬額決定の経緯について
特約店との事前協議はありましたか?
※「一方的な提示のみで協議ではなかった」との自由回答は「なかった」に含んでいます。
謝礼金額については特約店・ヤマハ講師の双方が合意の上で決定することになっていますが、90%の方は特約店との事前協議がなかったことが分かりました。
今回のアンケートでは謝礼を支払われていないヤマハ講師の多くが、合意もなしに一方的に決められているということです。
まとめと今後の展望
今回のアンケートでは
財団が提示した謝礼額の書類は現状手に入れることができず、確認できる講師は少数であること
約80%のヤマハ講師が、財団が提示した謝礼金額を受け取ることができていないこと
謝礼金額の決定にあたり、ヤマハ講師が合意していないことがほとんどであること
以上の3点が明らかになり、財団に改善を求めることになりました。
組合員さんから伺っている個別の問題については、財団が特約店社長様と面談してくださるなどの対応はしてくれていますが、全国の特約店・全国のヤマハ講師に向けて財団から発信することはまだ難しいようです。
今後も団体交渉を重ね、改善に向けて活動していきます。
働き方に疑問・不満のあるヤマハ講師さんは、お気軽にご連絡くださいね。
メールアドレス ⇒ ymt.union@gmail.com
最後に、今回のアンケートにご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
ヤマハ音楽講師ユニオン
執行部
大手のヤマハさんが講師さんたちに報酬を支払っていないとは残念です。
ヤマハさんが変わればカワイさんなどの他の音楽教室にも良い影響があるはずです。
ヤマハさんには是非、業界改善の先鋒となってほしいです。