2023年9月29日に一般財団法人ヤマハ音楽振興会(以下「財団」)と団体交渉を行いました。
今回も団体交渉会場に現地参加のメンバーに加え、zoomにてオンラインでも参加できる形をとりました。
今回の議題
1.レッスン外業務に対する報酬の支払いについて
2.生徒が欠席した場合の振替レッスンについて
3.パワーハラスメントの防止について
4.インボイス制度への対応
1.レッスン外業務に対する報酬の支払いについて
(1)個別事案の対応について
当ユニオンでは以前より、レッスン外業務(発表会や講師会議など)に報酬が支払われていない特約店を財団に報告し、財団より特約店に指導・是正していただく活動をしております。
今回の団体交渉では、発表会の立ち合い及び講師会議に報酬を支払っていない特約店の一件に報酬が支払われるようになりました。また、年間のレッスン回数が財団規定の回数より多く(月3回(年間36回)のコースが年間40回、44回実施されていました)、レッスン料がそのままだった特約店の一件も是正されました。各特約店名の記載は控えさせていただきます。
対応してくださった財団スタッフの方々、また講師の働き方に理解をしてくださった特約店の方々に感謝いたします。しかし、残念ながら未だに改善されない特約店もあり、今後も粘り強く交渉を続けて参ります。
(2)実態の把握について
財団から講師・特約店に対し、レッスン外業務に対する報酬の支払いについてのガイドラインが提示されていますが、当ユニオンが実施したアンケート(発表会等イベント業務の謝礼金額について)の結果では、財団が提示した金額が支払われていないケースが多いことがわかりました。この結果を財団に伝えたところ「財団としてはガイドライン通りに支払っている特約店がほとんど」という見解であり、私たちのアンケート結果との乖離が見られました。そこで財団には、かねてより「特約店よりガイドライン通りに報酬が支払われているか」を調査するアンケートを講師に実施するよう要望しておりますが、アンケートの実施には至っていません。
また、(1)個別事案の対応について の通り、現在はガイドライン通りに支払っていない特約店を当ユニオンが財団に報告し、対応していただく形をとっていますが、本来ならば財団が能動的にガイドラインに従っていない特約店を見つけ出し指導するべきものと考えています。しかしこれについても財団は後ろ向きの姿勢を続けています。
引き続き実態を正しく把握していただくよう交渉を続けて参ります。
(3)研修制度について
財団は講師試験を突破した新講師にヤマハのカリキュラムや指導法についての研修を行っており、この研修を受けなければヤマハ講師としての仕事を行うことができません。しかし、財団はこの新講師研修を「講師の自己研鑽」とみなし、報酬を支払っていません。
また講師になった後も、新コース(ぷらいまりー等)の指導法の「研修」を「講習」と名前を変えて実施し、実質的に強制であるにも関わらず「任意の自己研鑽」とされ、無報酬になっています。「音楽力確認映像の提出」「レッスン映像の提出」「指導法動画視聴」「指導法の講座」など、日々の指導を指揮監督されていますが、これらについても無報酬です。
受講しなければヤマハ講師としての仕事ができなくなる講習(研修)は、果たして本当に講師の自己研鑽の範疇なのでしょうか。私たちは今後もこれらの研修に報酬を支払うよう交渉を続けて参ります。
2.生徒が欠席した場合の振替レッスンについて
ヤマハ音楽教室の会則では、生徒都合(体調不良や旅行など)で欠席された場合の振替は実施しないことになっています。しかし、特約店より無償で振替レッスンをするよう強要されているケースもあり、これを是正してほしいと要望しました。
私たちの要望は「生徒都合の欠席に対し振替レッスンは行わないことを全国の特約店に再度周知し徹底してほしい」という旨でしたが、これを「振替レッスンをさせてほしい」と捉えられ、行き違いが生じています。この件については今後も要望いたします。
3.パワーハラスメントの防止について
ヤマハ講師の中には財団スタッフや特約店スタッフよりハラスメントを受けている方が多くいらして、当ユニオンにもハラスメント、とりわけパワーハラスメントについてのご相談をいただく機会が増えています。私たちはこれを深刻に受け止め、財団に対しハラスメントに遭った際の相談窓口の開設や、ハラスメント防止講座の実施などを要望しています。(詳しくは第二回団体交渉の2.講師に対するパワハラについてをご覧ください。)
特に問題となっているのは特約店スタッフから講師に対するハラスメントです。私たちは特約店と契約関係にありませんが、特約店スタッフが講師にハラスメント行為を行った際に、契約関係にない特約店に相談窓口はなく、財団に相談したとしても財団と特約店は別の会社なので指導できないという問題があります。
ハラスメント行為は財団として「許さない」という立場をとってくださっているものの、具体的な相談窓口が存在しないので相談することもできず、現状では講師の泣き寝入りになってしまうケースがあります。
財団は、フリーランス新法での運用に則り、特約店と講師にハラスメント防止の意識浸透に努めるとのことで、フリーランス新法で正式に制定・運用されるまで動かない姿勢をとっています。
4.インボイス制度への対応
財団の、講師に対するインボイス制度対応は以下の通りです。
i)インボイス事業者登録をした講師はこれまで通り消費税込みで報酬を支払う
ii)インボイス事業者登録をしない講師からは消費税分を差し引いて報酬を支払う
これについては当ユニオンは納得しましたので、説明の要求は終了します。
第3回団体交渉の内容については以上です。交渉すべき内容については、今後も粘り強く交渉を続けて参ります。
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なぜ直接雇用を要求しないのか。
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すべてヤマハの言いなりなんだからどう考えても雇用関係でしょ。